新型コロナウイルスに関係する内容の可能性がある記事です。
新型コロナウイルス感染症については、必ず1次情報として厚生労働省首相官邸のウェブサイトなど公的機関で発表されている発生状況やQ&A、相談窓口の情報もご確認ください。またコロナワクチンに関する情報は首相官邸のウェブサイトをご確認ください。※非常時のため、すべての関連記事に本注意書きを一時的に出しています。
見出し画像

グループ・ガバナンス領域におけるDXとは?

本記事は、2021/01/04のディーバ主催セミナー「グループ・ガバナンス DX Day 2021 ~「攻め」「守り」のガバナンスをデジタルシフト~」からの抜粋です。

ガバナンスとDXは密接に関係している

日本再興戦略から続く一連のコーポレート・ガバナンス改革は、1社だけのガバナンスだけでなく、グループ経営を行う企業にとっても「グルーブ・ガバナンス・システムに関する実務指針」という形で提言がなされています。
一方、DX( デジタル・トランスフォーメーション)は、2025年の崖のレポートから始まり、こちらも「DX推進ガイドライン」や「DXレポート2(中間取りまとめ)」が出ています。

この2つは別々のガイドラインとして出ており、関係づけて考えている方は多くないと思いますが、これらは密接に関係していると考えています。
ここで言うガバナンスとは「持続的な企業価値の向上」「稼ぐ力の向上」を指しますが、それを実践するためにはITの力が欠かせません。
グループガバナンスの推進のためにはDXが不可欠であり、経営におけるDXの推進とはグループガバナンスの推進そのものであると言えます。

グループガバナンスとは

経産省の資料から抜粋しますと、グループガバナンスとは企業価値向上の取り組みそのものになります。
ガバナンスという言葉だけですと、内部統制やコンプライアンス的な印象をお持ちの方もいらっしゃると思いますが、稼ぐ力の向上・企業価値向上を、特にグループ企業に焦点を当てるとみると次の3点が挙げられています。

・グループ全体を見るべき本社と子会社や本社と事業部門との関係、子会社や事業部門のリソース配分をどうするかといった点
・「攻めのガバナンス」として、M&Aや事業売却などのよる事業再編も含んだ事業ポートフォリオの最適化という点
・「守りのガバナンス」としては、本社からは見えにくい子会社における統制やリスクマネジメントの点

というように、攻めと守りの両面でいかにガバナンスを働かせていくかが重要であるとされています。

グループ経営における課題は「本社機能」

こちらも経産省の資料からの抜粋ですが、日本企業のグループ経営の課題として3点挙げられております。

・攻めのガバナンスは、事業部門の権限が強すぎて適切な経営資源配分ができていない
・事業ボートフォリオ、事業見直しの基準やプロセスがない
・守りのガバナンスは、子会社のリスク管理が不十分

これらは、どれをとっても本社機能やCFO組織が解決すべき課題と捉えられますので、グループ経営の課題はイコール「本社機能、コーポレート部門」が果たす役割がまだまだ足りないということだと考えられます。

CFO/本社機能におけるDXとは

では、グループ経営企業の本社機能やCFO組織にとってのDXとは何でしょうか?一般的なDXの定義はたくさんありますが、経産省のガイドラインによると、「競争上の優位性を確立すること」とあります。

IT業界では、現場業務の効率化や自動化のツール(経理分野ですと経費精算システムやRPA等)を持ってDXと称することが多いですが、本来の意味からすると、まさに経営や本社業務が、競争の優位性を確立し、持続的な成長や稼ぐ力を向上することに寄与することこそがDXであり、その役割は本社機能にを担っているCFO組織や経営企画部門の方々が推進していかなければならないと感じています。

グループガバナンス x DXとは

前置きが長くなりましたが、ではグループガバナンスにおけるDXにはどのようなものが考えられるでしょうか?
ディーバが考える部分なので、会計や経営、本社機能中心でご説明します。

まずは稼ぐ力そのものである事業の収益性分析や将来の収益シミュレーションです。
複数の事業が複数の子会社にまたがる場合は、事業別・製品別などの収益性は連結財務諸表だけではわかりませんので意思決定のためには情報収集と分析や将来のシミュレーションのための仕組みが必要となります。

攻めのガバナンスとしては、事業ポートフォリオの分析や、事業価値算定、事業別のバランスシート(B/S)を使っての分析などです。
経産省の「グループガバナンスシステムの実務指針」の中でも事業ポートフォリオ管理に用いられる評価指標例としてROIC(投資資本利益率)などが挙げられています。
このあたりは普段からできていないか、経営からのリクエストがある都度Excelで計算しているのが実体かと思いますが、定期的に見直して素早い意思決定につなげていく仕組みを構築することが重要です。

守りのガバナンスですが、日本の場合は子会社に移譲している部分が多いと言われていますので、特に本社から見えにくい海外子会社の財務状況を、決算時だけでなく定期的に見ていけるようにすることでリスクマネジメントを行っていく必要があります。

コロナ禍では企業の競争・生き残りは一層激化しており、経営の意思決定の遅れは会社の存続を左右しかねない時代ですので、 本社機能は経営の意思決定に備えておく、支援できるようにしておく必要があると感じてます。

本社機能の課題

最後に、2つアンケートデータをご紹介します。

下記は、「本社機能で問題を抱えている」と回答したものの集計です。回答数が上位のものは、黄色くマークしています。

下記は、CFOが管掌している業務を多い順に並べたものです。
決算・資金・予算が上位に来ています。上記のグラフの黄色の業務

出典:財務マネジメントサーベイ2019(ディーバ、CFO協会、松田教授)

「問題を抱えている業務」の上位の課題には、投資や新規事業・撤退といった攻めのガバナンス、海外拠点管理やリスクマネジメントといった守りのガバナンスの重要な業務が入っていますが、そのような課題はCFOの管掌から外れているところが多いというのがわかります。本社機能の業務課題の上位を解決しておいくことが、攻めと守りを両面でガバナンスを働かせていくことにつながると考えています。

ディーバでは、グループガバナンスのための「事業価値分析」や「グループ経営管理」のシステムを提供しています。

執筆者:立堀 隆 
執筆日:2021/03/22



この記事が参加している募集

イベントレポ

最新セミナーやダウンロード資料は、メルマガでお知らせしています

ありがとうございます!
株式会社ディーバは導入企業1,100社以上、国内シェアNo.1の連結会計システムを提供する連結会計・経営管理・グループガバナンスのプロフェッショナルです。連結決算、グループ管理会計、事業ポートフォリオ、ROIC経営の情報や、ディーバの活動を分かりやすくお伝えします。